地方発IT社長ガリアと、夜の社交場「CLUB AYANO」で輝く人気キャストみなみ。噛み合わないのに妙に心地いい二人の会話が、政治もAIも恋心もシャンパンの泡のように混ざり合う――。「好き」が暴走する男と「距離感」を操る女が織りなす、夜ふかし知的エンタメコラム。
Official髭男dism『Pretender』の正体
〜なりすまし男たちの独白〜
〜なりすまし男たちの独白〜

みなみ
「へぇ。社長、また夜の街で人生を学んできた顔してる」

ガリア
「いや違うって。面白い記事見つけたんだ。ほら、このOKINI MUSIC REVIEWのこの記事!『Pretender』は“不倫の歌”じゃなくて、“キャバ嬢に沼った男の独白”だって」
Official髭男dism『Pretender』歌詞の意味を解釈!不倫ではなくキャバクラの歌?
「グッバイ」の後に続く切なすぎる男心。なぜこの曲は夜の街で働く人や客に刺さるのか?
OKINI MUSIC REVIEW

みなみ
「いきなり身に覚えのありそうな話ね」

ガリア
「Pretender=なりすまし。本物じゃない恋を本物みたいに演じる時間。夜の街そのものだって言うんだよ」

みなみ
「あー……社長が一番好きなやつ」

ガリア
「“いざ始まればひとり芝居だ”って歌詞もさ。男はキャストが自分に気があると思い込んで、特別な存在のフリをして、実際はただの観客。チケット代だけ高いって」

みなみ
「その観客、今ここにいますけど」

ガリア
「ち、違う! 俺とみなみの関係は」

みなみ
「キャストとただの観客、でしょ♡」

ガリア
「……」

みなみ
「で、“パン食い競走”みたいに、つかめそうでつかめない距離ってやつでしょ?」

ガリア
「そう! あと一歩で届きそうなのに永遠に届かない」

みなみ
「社長の人生みたい」

ガリア
「刺さるなあ…」

みなみ
「“君の運命のヒトは僕じゃない。でも離れがたい” この一文が一番リアルよね。分かってても店に来ちゃう男の心理。逆にホストにも当てはまるよね」

ガリア
「だから俺、この歌聴くと自分のこと歌われてる気がして…」

みなみ
「自覚あるんだww その自己分析をしてる間も、社長はここにいる。はい、Pretender完成」

ガリア
「ぐう…」

みなみ
「というわけで、その“夜の街ドキュメンタリー”に乾杯しましょ。ボトル開ける?」

ガリア
「なんでそうなる!」

みなみ
「だって社長、“みなみが好きなのは社長だけ”って言われたらどうせ開けるでしょ」

ガリア
「……はい」

みなみ
「ほらね。今夜も社長はPretender。でもさ」

ガリア
「?」

みなみ
「社長だって、ここでは“みなみだけだよ”みたいな顔してるけど、別の店では鼻の下伸ばしてるでしょ」

ガリア
「な……!」

みなみ
「ほら。Pretender」

ガリア
「いや、あれは…市場調査というか…」

みなみ
「はいはい。“本気じゃない恋”をいくつも並べて、その中で一番居心地いい場所に戻ってくる。それ、客もキャストも同じだから」

ガリア
「……」

みなみ
「だますのはお互いさま。というか、だまされてるの分かって楽しむのが夜の街だね。本音を隠して、期待を盛って、ちょっとだけ信じて」

ガリア
「……だまし合い、か」

みなみ
「違う。だまし愛」

ガリア
「鈴木おさむのドラマみたいじゃん」


