メディアに取材してほしいこと フジテレビはいつ現在の組織に改編したのか?

新聞社(全国紙)、週刊誌の記者にお願いしたいこと

 前回、配信した記事(下記関連記事)を堀江さんや長谷川さんがリツイートしてくださったため、とてもアクセスを集めている。お二人をフォローしている人たちには大手メディアの記者の方もいらっしゃると思ったので、今回の記事を書いた。

フジテレビはいったいいつ現在の組織に改編したのか?

 フジテレビの組織図では番組制作部門は「編成総局」が上部組織であり、そこに「編成局」「バラエティ制作局」「ドラマ・映画制作局」「ビジネス推進局」「アニメ事業局」という5局がぶら下がっている

 前回の記事でも触れたが、他のキー局は上部組織(コンテンツ戦略本部・コンテンツ編成局など局によっては呼び名は異なる)の下に、フジのように下部組織がぶら下がっている構造はほぼ同じだ。

 しかし、他局の場合、その横並びの下部組織に「編成部門」「制作部門」「アナウンス部門」が並列に配置されている。その意味で、「他局(フジ以外)は編成とアナウンスが対等の関係だ」という長谷川豊氏の主張は間違えていないことになる。
 フジテレビは、というとサイトに公開されている組織図の中に「アナウンス」の文字が一つもない。この組織図だけでも、アナウンス部門を重要視していないのではないかという疑問が生じる。

フジテレビはいったいいつ現在の組織に改編したのか?

 では、フジのアナウンス部門(アナウンス室)は組織上どこに位置づけられるのか。
 フジテレビのリクルートサイトを見ると、2021年9月時点では、「編成制作局アナウンス室」という位置づけであることが確認できる。(それ以降の年度のサイトを見つけられなかった)

【画像】フジテレビ 採用サイトより

 ウィキペディアも配属については更新されておらず、2021年7月の組織図が出典先として記録されている。下の山﨑アナと上垣アナのものを見ても「編成制作局」となっている。ちなみに両アナを取り上げたのには他意はない。

 22年6月の社長定例会見の記録には、まだ「編成制作局」という名称は残っている。ちなみにこの22年6月は港浩一元社長が就任した月でもある。

フジテレビはここ数年、業績が回復基調にあると思う。コンテンツを軸にビジネスを発展させていける態勢が整いつつある。今後は制作能力をもっと強化して、看板番組を、バラエティでもドラマでも作り出してビジネスにおいてもさらに成果を上げていきたい。そのために編成制作局の中に、「ドラマ・映画制作センター」「バラエティ制作センター」「アニメ制作センター」の3つの制作センターを作った。そして、編成ビジネスセンターを新設して放送・配信を交えた迅速なコンテンツビジネスを強化して収益の拡大を図っていく
また、世の中のコンプライアンス意識が高まる中で、テレビ局としての社会的責任を果たすために、社内の関連する部署を「コンプライアンス推進室」として一本化した。
さらに、「総合メディア開発局」を新設。動画配信ビジネスの伸長など生活者の視聴スタイルやメディア環境が大きく変化している中、放送がメディアとして進化できる総合的な方策を、制度とビジネスの両面から立案、推進していく。

 余談だが「世の中のコンプライアンス意識が高まる中で、テレビ局としての社会的責任を果たすために、社内の関連する部署を『コンプライアンス推進室』として一本化」の部分については、まったく機能していなかったことになる。まさかこの時点で2年半後にとんでもない事態になってしまうことを社長本人もまったく予期していなかったに違いない。
 
 話を戻すと、

 ということは、この2年の間で、フジテレビジョンとしては組織の改組が行われたのは間違いない。おそらく「編成制作局」という部署は「編成総局」という形で改組されたことになる。そして、この改組でアナウンス部門がどのような位置に配置されたかは、今回の一連のフジテレビ騒動の中で、しっかり見ていかなければならない点だ。もし仮に、編成局の下にアナウンス室がひも付いていたとしたら、長谷川氏の言うように、アナウンサーが編成からの指示や要請に逆らえない構造になっていたと十分考えられるからだ。

 実際、この点に関してはフジテレビは他局とは組織体制が異なっている。他局の場合、ホームページに公開されている組織図の中にアナウンス部門はしっかり表記され、少なくとも、編成・制作・アナウンスが横並びに対等に位置づけられている。一方のフジテレビはホームページ上に公開されている組織図(もちろん社内の詳しいものには位置づけられているはずだが)を見る限り、アナウンス部門がないがしろにされている印象すら受ける。そして、そうした組織体制がアナウンサーの働き方や今回のような一件に影響を及ぼさなかったのか今後のメディアの取材や第三者委員会でしっかり検証されなければならないだろう。

また、こういった組織デザインを作った狙いや意図について、フジの現執行部、旧執行部には説明する責任があると思う。(本来、この点も前回の会見で質問してほしかった)。

残念ながら、しいたけはローカルメディアの記者なので、フジの組織がいつ現状の体制になったのか、そしてアナウンス部門はどこに紐づけられたのかという点については調べようがない。ここは全国紙、週刊誌といったメディアの方々に期待したいところだ。

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25.02.03 誤字訂正
 

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